「中小企業に行くのはやめておけ」
そんな言葉を聞いたり見かけた事のある方は多いのでは無いでしょうか?
綺麗ごとを言うのであればすべての企業に価値があり、職業に貴賤はありません。
しかし、私は親しい人には「中小企業に行くのはやめておけ」と本音を言うでしょう。
今回は「なぜ中小企業はやめとけと言われるのか」,「中小企業に入る事のデメリット」について紹介していこうと思います。
学生時代の私のように「待遇もあんまり変わんないからどこも一緒じゃない?」なんて考えている人にも伝わるように書きましたので最後まで読んで頂けたらと思います。
中小企業は構造的に給与を上げにくい
中小企業は給料が低いです。これは恐らくほぼすべての人が知っている事実でしょう。
具体的な数値で言うと従業員数100人未満の会社の平均給与と1000人以上の会社の平均給与の差は約150万円です。
従業員数100人未満の会社の平均給与が410万円のため、大企業の人はその1.3倍以上貰っている訳なので相当な差になります。
では「なぜ給与にこんなに差が付くのか」と疑問に思う方も居るでしょう。
こんなに差が付く理由の1つとして規模の経済が働いているからだと考えられます。
規模の経済で大企業は潤っている
「規模の経済」と言われてピンとくる人は良いですが、そうで無い人もいると思います。
超々々簡単に説明すると
ポイント
規模の経済は「カレーを何人前も自炊すると節約できる」
という話です。
カレーって1人前で作る事なんてほとんどありませんよね。具材をまとめて鍋に入れて5人分とか一気に作ります。そうすることでコストを安くできますよね。
つまり、たくさん作れば安くできる、つまりは”効率的に作れる”という話が会社でも起こる訳です。
効率的に作れるということは利益を沢山生み出せます。
利益を沢山生み出せるのであれば社員への還元も容易な訳です。※ただし利益が出る=社員へ還元とは限らない。
逆に規模の経済を働かせにくい中小企業では大企業と比べ利益を出しにくく、利益を出しにくいが故に社員への還元をしにくいという話ですね。
会社の給与を推測してみよう
大企業と中小企業で差がある事実は明確ですが、実際に入社をする会社が良いのかどうかはもっと詳しく見て見る必要があります。
そのため、簡単に会社の給与を推測する方法を伝授しようと思います。
ポイント
予測される給与=売上×人件費率÷従業員数
中小企業であっても求人等で売上を公開している事があるため要チェックです。
また、人件費率は「業界名 人件費率」でおおよその値を入手し計算してみましょう。
私はこの式で計算したときに勤めていた中小企業と転職先の大企業では3倍近くの差があって愕然としました。
もちろん絶対なんて事はありませんが、目安としては十分な値です。
計算結果と今の年収が同程度の場合、もしかすると今の年収がその会社で貰える限界なのかもしれません。
中小企業は周りの人物で萎える
中小企業は人間関係でも萎えさせてくる事があります。
特に社長が力を持っている場合は良くないですね。いわゆる「鶴の一声」というヤツです。
社長の思いつきに振り回されるなんて話もよくある事。
他にも「働かないおじさん」なるものも存在しますが、きっとそれは大企業にも存在しているでしょう。
ただ、中小企業は小さなコミュニティであり接する機会も多いため、働かないおじさんを目にするたびに精神はすり減ります。
社会的立ち位置は大企業が圧倒的に上
職業に貴賤無しと言うのは大嘘である事は皆が知っている事ではありますが、いざいざ目にすると結構やられます。
たとえばとある友人と仕事の話になったときやローンの審査の話など、社会的立ち位置が浮き彫りになる瞬間は時折訪れます。
また、一昔前では「大企業から中小企業は簡単だが、中小企業から大企業は難しい」なんて話もこれです。
別にどうでも良いよなんて思う人もいますが、社会的立ち位置なんて高いに越した事はないので大企業に入った方が良いです。
中小企業に入るメリットも”ちょっとはある”
ここまで中小企業に入るデメリット上げてきたものの、中小企業に入るメリットもゼロではありません。
一言で言ってしまえば経験が積める。
具体的は話をすると、中小企業は人が少ない事が多いので、大手企業では得られないような、様々な経験を積むことができる可能性があるという事です。
中小企業では、1人の担当者が複数の業務をこなす場合が多く、そのために幅広い業務に携わることができます。
また、プロジェクトの進行管理や顧客対応など、多岐にわたる業務に携わることで、ビジネスの全体像を把握し、スキルアップすることができます。
事実、私は中小企業に勤める事で幅広い業務に携わる事が出来ました。(そして、それが辞めるキッカケにもなりました)
もちろん、そんな経験を積むことも無く雑用だけで年を取る可能性があるという事も忘れないで欲しい。
やりたいことがあるなら中小企業でも良いかも
「オレはコレがやりたいからこの企業を選んだ!」と強く言える人なら中小企業でも全然いいでしょう。
実際、自分がやりたいことをやるのが一番です。
しかし、これと言ってやりたいことが無いのであればとりあえず入りやすい中小企業を選ぶのはやめておいた方が賢明だと私は思います。